昨夜、こんな本を読み終えました。
昔、本州にニホンオオカミが棲息していたことは聞いたことがありました。
国立科学博物館を訪れた際には、剥製を見たりもしました。
そこで、ずっと疑問に思っていたことが2点ありました。
・江戸時代や明治時代の人々は、これがニホンオオカミ、これは犬、これはニホンオオカミと犬と
の交配種等、容易に判断出来たのでしょうか?
つまり学問的にニホンオオカミと識別出来たのでしょうか?
⇒何故なら、標本剥製を見た限りでは、自分では区別できないだろうと感じたからです。
・なぜ標本剥製等の資料が、ほとんど残っていないのでしょうか?
(現在、日本にある標本剥製は、国立科学博物館・東京大学・和歌山大学の3体のみで、他に
大英博物館等にあるそうです)
⇒かつて沢山棲息し、人との係わりがあったのならば、毛皮や骨等だけでももっと現存している
はずでは?と思うからです。
そこでこの本を手にしたのですが、いきなりショッキングなことが記されていました・・・
あの国立科学博物館の標本剥製は昭和30年代に作り直されたもので、改作前の姿は大変貧弱で、犬骨が使われていたと・・・
はぁ~?・・・何だソレ?
言葉が見つからない・・・
そこで、この様な扱い方をするという事は、剥製を作成した当時(明治時代)、これがニホンオオカミ・これが犬・これは交配種というハッキリとした識別がやはり困難だったのでは?と改めて思うのでした。
いったい、ニホンオオカミとはどんな動物だったのでしょう?
何だか、とてもミステリアスで儚い存在のように思えてきました。
著:藤原 仁
作:まぼろしのニホンオオカミ 福島県の棲息状況
過去の様々な記録を丹念に調べ上げ、様々な角度からかつてのニホンオオカミの生息状況や人との係わり等を考察しまとめ、ニホンオオカミの実態に近づこうとされる著者の姿勢には、感服いたしました。
しかし、この分野への様々な疑問は、疑問のままで予想の範疇を脱していない事が多いというのが現状という事も分かりました。
この本を読んだだけでは、ニホンオオカミの姿がまだまだ見えてこないので、もう数冊他書を読んだ後、自分なりに整理してみたいと思います。
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