NHKの連続テレビ小説「おひさま」が放映されていますが、その中で「心に太陽を持て」という詩を読む場面があり、素敵な詩だなと思いこの本を手に入れました。
この本は、「日本少国民文庫」全十六巻の中の第十二巻にあたり、この文庫の第一回配本だそうで、胸にひびくような感動的な逸話を集め、その中の二十篇を山本有三氏が編著したものです。
氏は、熱心な人道主義だったそうで、昭和初期の満州事変や犬養首相暗殺など暗く険悪な情勢の中で人道が無視される傾向にあった世相において、子供達に博愛精神を吹き込みたいという思いが一因となり、この文庫を企画したそうです。
「心に太陽を持て」という詩は、西ドイツのツェーザル・フライシュレンという詩人の作品だそうです。
初版本の訳詩は、山本氏の「力強く生きよ!消極的な気持ちではなく、積極的に人生を切り開いて行きなさい!」という思いが強く、下記のものより勢いのある訳詩だったようです。
熱い思いを伝えたかったことが、よく分かりました。
「心に太陽を持て」
心に太陽を持て。
あらしが ふこうと、
ふぶきが こようと、
天には黒くも、
地には争いが絶えなかろうと、
いつも、心に太陽を持て。
くちびるに歌を持て、
軽く、ほがらかに。
自分のつとめ、
自分のくらしに、
よしや苦労が絶えなかろうと、
いつも、くちびるに歌を持て。
苦しんでいる人、
なやんでいる人には、
こう、はげましてやろう。
「勇気を失うな。
くちびるに歌を持て。
心に太陽を持て。」
ーフライシュレンによるー
編著:山本有三
作:心に太陽を持て
※團 伊球磨氏により、この詩に曲が付けられたようです。
どの様な曲なのか、ちょっと聞いてみたいです。
この時期に、この本に巡り合った事は、きっと必然なのだと思います。
幼稚化してはいけないのだと、改めて思うのでした。
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