新年度が始まりました。
上野動物園では、パンダ(オス:リーリー、メス:シンシン)が公開されたそうです。
そして震災から3wが経過しました。
自分は震災の被害を受けていないのだから、元気を出して生活しなければと思いながら過ごしてきましたが、つい先の事を考えてしまい、心配事が湧き上がり、それらを振り払うことに疲れてしまう日々だったというのが、正直な感想です。
新年度を迎え、前向きな心持を示すべき時期なのでしょうが、強い向かい風に向かって進まなければならない時の様な憂鬱な気分が強まるばかりで、意気消沈しています。
こんなことを吐露すると、お叱りを受けそうですが、本音です。
まぁ、生かされる間生きて、その間理不尽に耐えながら、もがくだけです。
さて、パンダもクマの仲間ということで、こんな本を読んでみました。
自分には珍しく、久しぶりのハードカバーです。
著:片山龍峯(聞き手)、姉崎等(語り手)
作:クマにあったらどうするか
よくあるHow to物ではありませんヨ。
語り手の姉崎さんは、アイヌ民族最後の狩人という方で、子供の頃の事からこれまでに経験した様々な事を通して、クマの生態について・狩猟について・アイヌ文化について等々を語っています。
興味深く、読む事が出来ました。
※クマ(ヒグマ)の生態について、自分はあまりにも無知ということが分かりました。
それを理解せずして、「自然」や「クマ」や「それらと人の関係」等について考えても、良い結果に
繋がらないのだから、まずは知ることが大切なんだといことが分かりました。
この本には、その知るべき事が記載されていました。
そして、改めて畑ムツゴロウさんやヒゲさんの凄さを、思い返すのでした。
ムツゴロウとゆかいな仲間達は、素晴らしかった~
☆「クマにあったらどうするか」姉崎さんのすすめる10カ条
(まず予防のために)
一 ペットボトルを歩きながら押してペコペコ鳴らす。
二 または、木を細い棒で縦に叩いて音を立てる。
(もしもクマに出会ったら)
三 背中を見せて走って逃げない。
四 大声を出す。
五 じっと立っているだけでもよい。
その場合、身体を大きく揺り動かさない。
六 腰を抜かしてもよいから動かない。
七 にらめっこで根くらべ。
八 子連れグマに出会ったら子グマを見ないで親だけを見ながら静かに後ずさり。
(その前に母グマからのバーンと地面を叩く警戒音に気をつけていて、もしもその音を聞いた
ら、その場を速やかに立ち去る)
九 ベルトをヘビのように揺らしたり、釣竿をヒューヒュー音を立てるようにしたり、柴を振り回
す。
十 柴を引きずって静かに離れる(尖った棒で突かない)。
その他にも、クマの様々な生態が記されています
・基本的にクマは人を恐れている。
(クマは人をよく観察しており、文明の力を恐れている)
・だから人に会わないように、避けて生活している。
(里山など、わりと人に近い所で生活したがる個体が多い動物だが、針葉樹の植林だらけに
してしまったことは問題)
・クマは肉食動物ではないので、いきなり人を食べようとはしない。
(注:一度人の味を知ったクマは、襲ってくる)
・クマを脅かしてしまうと、クマが襲われたと勘違いし、怒りだす。
・クマが被さってくると、手は使わず、口で動く所から噛もうとする。
(これが、死んだフリの由来かも・・・?)
しかし、抵抗はした方が良いとのことで、武器で応戦したり、何も持っていなかったら拳骨を口
の中に突っ込み、舌をつかむのも有効らしい・・・
・そんなことにならないように、先手を打って人の存在を知らせることが大切。
・人を襲い、人が弱いと分かったクマは、人を恐れる心が無くなり、態度や顔つきが変わるので
危険。
・育児中の母グマは、子を護るために強気になる。
(子グマは、三才から独り立ちする)
・猟師に傷を負わされたクマは、気配を消し隠れ、一気に襲ってくる危険性が高い。
(止め足の様な事もするらしい)
・好物は、コクワ(サルナシ)やドングリ、ブドウ等
・体が冬眠の体制に入ると、食べなくなり、肛門から10cmほどの所まで止め糞を作り、胃や腸
には何も入っておらず、膀胱にも何も入ってはいない。
・6月頃に交尾をし、秋になり母グマが妊娠できる体になると受精し、1月頃に出産する。
そのため、妊娠期間は1ヶ月ほどと短く、出産時の子グマはとても小さい。
・冬眠から目覚めると、フキノトウやアマニュウなどを食し、止め糞が出るようにする。
それが出てから、徐々に食欲が増してくる。
(断食後の僧侶が、おかゆ等消化の良いものから食べ始めることと同じ)
等々
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