著者の作品が読みたくて、この様な本を読んでみました。
主人公は、秋田は大平黒沢の田辺弥平という純情でまっすぐな性格で情にもろい二十歳の青年で、箕作りとその販売・箕直しを生業とする百姓である。
彼の生い立ちから、これまでの箕作り職人としての成長の様子が記されている。
ある日、姉が嫁ぎ先から出戻ってきた真相と販路拡張のために群馬を訪れたとき、関東以南での箕作りに対する世間の冷たい態度、サンカと呼ばれる人達の存在、差別部落の存在、自分達東北の箕(オエダラ箕)はイタヤカエデ・ウリハカエデ・ヤマウルシなどの樹木を材料にするが関東以南のサンカと呼ばれた人々が作るものは竹や桜を用いており、見事な作りであること・・・
等、様々なことを知ることになる。
そしてサンカと呼ばれるある一家のおキヌに恋をし結婚を申し出るが、彼女の背負う宿命と残酷な現実に、願いは叶わぬものとなってしまう。
著:熊谷達也
作:箕作り弥平商伝記
※・箕作りの技術は大変難しいもので、百姓が真似しても作るのは難しいらしい。
・箕作りの販路拡張のために、樺太へも出向いていたらしい。
・関東以南では、箕作りや箕直しはサンカと呼ばれて差別されていた人達が行っていた。
・「サンカ」と呼ばれていた人達、「特別部落」とされていた集落が存在していたことを知り、もう
少しこの点について知りたいと思う。
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