今日は、台風１５号の影響で、小雨と大雨が繰り返された１日でした。
最近の台風は通過速度が遅く、災害を誘発する可能性が高いので、早く通過してくれることを願うばかりです。
南の豊橋市ではあまり雨が降らなかったとのことですが、北の名古屋市では庄内川の氾濫により、非難指示・勧告が発令されたとのこと。
愛知県内でも、台風の影響は随分と異なるものだと痛感させられます。
さて、先日久しぶりに東山動植物園を散策してきました。
先日、「
ニホンオオカミは生きている」を読んでから、実際のオオカミが見てみたくなり、足を運びました。
シンリンオオカミを見ることを目的に訪れたのですが、園内を散策していると、様々な動物の神秘的で美しい姿に惹かれ、あちこちにフラフラと足が向いてしまい、結局時間が足りなくなる始末でした。
中でも最も印象的だったのは、１６才になるアムールトラのルビリン（人間の年齢に換算すると、９０才にあたるそうです）でした。
彼女は視力が低下してしまったため、小さな暗い檻の中に大きな体を横たえていました。
時々、顔を上にあげ呻きの様な声を上げており、私はその声に答えるつもりで、猫の鳴声のような返事をしてみました。
すると、ムクッと起き上がり、檻の中をゆっくりと反時計回りに歩き出しました。
そして私の前に来る度に立ち止まり、金色に光る大きな瞳を見開いて私の顔を見てやろうとするのです。
鉄格子とガラス越しながら、私と彼女の顔との間隔が５０ｃｍ位でジ～と対峙するわけで、私は恐怖と畏怖の念が入り混じったような感覚が全身を覆い、動けませんでした。
声を掛けた瞬間に、彼女の爪と牙で私の頭がグシャグシャに吹き飛ばされる映像が頭の中を過ぎり、声も出ませんでした。
只々、彼女の存在そのものに飲み込まれそうになるばかりでした。
薄暗い空間の中で見開いた金色の２つの瞳や圧倒的な存在感を、この先忘れることは無いと思います。
その他にも、様々な感動や発見がありました。
機会を見つけて、再度訪れてみたいと思います。
東山動植物園には、８頭のシンリンオオカミがいました。
（今年生まれが３頭、昨年生まれが３頭、０５年０８年生まれが１頭ずつ）
右写は昨年生まれのジャネット♀だと思うのですが、休む姿もなかなか上品な美人さんでした。
楕円形の立派な足の裏が、印象的でした。
・タイリクオオカミの仲間なので、額段が特に小さいということはない。
（ん～・・・額段が小さいとは、グレーハウンドやボルゾイの様な吻上と額の関係を想像すれば
良いのかな？）
・耳介後面が橙赤色。
（顔面に橙赤色の毛は薄いが、今年生まれの個体にはもう少し目立っていました）
・長毛が生える部位（頸・背筋・腹・尾）と、短毛が生える部位があり、それらの境界が判りやす
い。
・頸部のたてがみにより、頸部と肩の境が明瞭。
（見方によっては、首輪の跡の様にも見える）
・背中～尾に掛けて黒色の毛が生え、背筋に沿って毛足が長い部位がある。
・腹にも長毛が認められた。
・スミレ腺（尾腺）の毛は黒色だか、Ｘ字にはなっていないように見える。
・尾の先端の毛色は黒色だが、先端の形は見る方向によって尖っても見えるし、丸くも見える。
・・・etc
フムフム、実物はこの様になっているのか・・・納得。
お水も、ヘッチャラみたいです。
何か・・・気になるみたいです。
しかし、体が柔らかくて羨ましい限りです。
出産の際に、この姿勢がとれないと大変ですもんね。
・確か、「吻上面の前半部に接する面が、目の下を通り耳介基部に達する」と記されていたな。
ウム・・・判る、分かる。
・やはり、顔つきがキリッとしています。
（眼窩角が、犬より小さいからだそうです）
・耳介後部には、橙赤色の毛が生えています。
・目と鼻の間に、橙赤色の毛が薄っすらと見えます。
・頬髭（犬とオオカミを区別する際に大切だという考え方もあるそうです）とは、どの辺りを指すの
でしょう？
頬にある毛足の少し長い部位かな？
ん～・・・じゃあ、ワサオはどうなっちゃうワケ？
あ～ワサオにも、会いたくなってきた。
・瞳の色が黄色く、眼力に迫力があります。
・黄ばみの少ない、きれいな歯をしています。
・尾には、スミレ腺（尾腺）があり黒色の毛が認められますが、Ｘ字にはなっていないようです。
また、尾の先端には黒色の毛が生えています。
擬人化して見てしまう事は良くない事なのでしょうが、ジャネットは弟や妹に優しい一面を見せている様に見えました。
実は、ジャネットの右に写る今年生まれた個体（ヒカル？ノゾミ？）が、何度もガブッとやられていたのですが、興奮が冷め集団がバラけた後、スーと近寄り側にいる場面が何度かありました。
思い過ごしかな・・・？
こちらが、何度かガブッとたられていた今年生まれの子です。
ヒカル？ノゾミ？どちらなのでしょう？
全体的に橙赤色の毛の割合が多い印象で、ジャネットの様に色のコントラストがクッキリと分かれていない印象でした。
今年生まれとはいえ、こんな野性味溢れる表情を垣間見ると、肉食動物なんだなと改めて感じるのでした。
家犬でも愛玩動物でもない宿命と威厳が、子供の頃から備わっていることを感じさせてくれました。
かと思えば、こんなオチャメな表情も見ることが出来ました。
ウキャキャキャキャ～と、気持ち良さそうに左頬をかいていました。
ガブッ・ガブッ・ガブッ・ガブッ・ガブッ・・・
勿論、本噛みではありませんが、この場面以外にも何度かやられていました。
ガブッとやっている方は、今年生まれのゲンキかな？
それとも、昨年生まれのマイケルかな？
体格や毛の生え方からみると、ゲンキのようだけど・・・謎。
オオカミの世界も、順位付けは厳しい様で・・・
争いごとがあると、他のオオカミ達が走って集まってきます。
（我関せず・・・もいました。←ジャックとか）
遠目から見ると、皆で１匹を攻撃している様にも見えたのですが、よく見るとそれは違うようで、ガブッとやっているのも、やられているのも１頭ずつで、他のオオカミは周りをウロウロしたり、鼻を近づけたり押し付けたりしているだけの様でした。
騒動が終われば、解散・解散・・・・
何がきっかけで、争いが終わるのだろうか？
ガブッとやられてしまった子はションボリしてしまい、背中に哀愁が・・・
すぐに復活していたので、一安心。
そして、何事も無かったかのように興奮が冷めていきました。
体格からすると、やはり同じ年生まれかな？
そして今度は、別の相手からガブッ・・・
こんなことが、繰り返されていました。
もう少し成長すると、落ち着いてくるのかな？
黒い個体は３頭いました。
どれが誰だか、さっぱり分かりませんでした。
顔つきは、いづれも独特な迫力がありますね。
黒い顔は、瞳の色を際立たせ、黒い体は、精悍な印象を引き立てています。
見る角度によって、様々な見え方になります。
耳介を後方へ倒し、顔が引きつった様なキツい表情は、ヤマイヌの標本剥製の表情に似ている気がします。
（ヤマイヌの標本剥製とされているものの写真が何枚か、西田氏の著書に掲載されていましたが、いづれも表情がつり上りキツイ印象がありました。しかし、今回シンリンオオカミのこの様な表情の変化があることを知ると、あの写真からの印象だけでは、生きていた際の様子を想像することは、私には困難のようです。）
しかし、フッと緊張が解けた様な表情をした時は、別の個体？と思えるほど印象が異なりました。
こちらは顔が真っ黒だから、０８年生まれのソニアかな？
それとも、昨年生まれのマイケルかな？・・・謎
毛艶がツヤツヤし、凄くキレイでした。
こちらも、立派なおみ足をしておりました。
シンリンオオカミの足跡の形は、楕円形に近くなるそうですが、納得しました。
こんな形に、なるそうですよ。
最後は、自由気ままな印象が素敵な、０５年生まれのジャックです。
彼はいいです・・・自由です。
ジャックを見ていて感じたのは、群れに族してはいるが、単独行動を好んでする個体だっているのではないかと・・・
好奇心の赴くままに行動し・・・
興味の無い事には、完全なる無反応をキメることも・・・
ボスという立場は、この行動に何か関係があるのだろうか？
（とにかく・・・単独でフラフラしている個体が目撃されても、おかしな事ではないかもしれない・・・そんな気がしてきます。一匹オオカミなんて言葉もあるわけだし・・・有り得ないことではないのかも知れないな。）
そんなジャックですが、こんな表情も見せてくれました。
目を光らせて、下からギロッと視線を放つその姿は、「オイ、何時までジロジロ見てんだ。調子に乗ってんじゃねーぞ・・・」といわんばかりの迫力がありました。
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