こんな本を読みました。
以前に著:吉村昭さんの「
羆嵐」という小説を読んだのですが、その内容は大正四年の暮れに北海道苫前村六線沢で起きた「獣害史最大の惨劇苫前熊事件」が題材になっています。
その題材を記したのが、今回読んだ本の著者です。
林務官となり事件の真相究明が必要と感じていた著者が、昭和三十六年の春に事件地を管内にもつ古丹別栄林署に転任となったのをきっかけに、事件関係者の証言を聴取し、残された資料を考察し、昭和三十九年に第一作「獣害史最大の惨劇苫前熊事件」としてまとめ上げたのだそうです。
今回読んだ本は、災害発生から八十年にあたる年に、内容を充実させ出版された作品です。
当時の事件の内容が、大変分かり易くまとめられているだけでなく、事件関係者や事件地のその後の変遷や、捕殺された人食い熊がどの様に処分されたか、当時の事件の扱われ方(新聞)や、後年の扱われ方(小説・演劇・TVドラマ・漫画)などについても記されています。
著:木村盛武
作:慟哭の谷
※非常に簡潔に事件とその後の変遷がまとまられており、内容が把握し易く、読み易い作品でし
た。
著者の、事件の真相究明とその記録への情熱と行動力には、感服致しました。
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