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gooseの散歩

日々の出来事を綴るblog (兼、趣味の備忘録)

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漂泊の牙

邂逅の森」「相剋の森」では、ツキノワグマが、
ウエインカムイの爪」では、ヒグマが出てきましたが、
「漂泊の牙」では、ニホンオオカミが出てきました。

 鎌倉時代に、奥州鬼首岩入地区の金山が閉鎖され、戻るべき場所が無い労働者の一部が、山中で漂泊しながら、衣食は山の幸に頼り、時に竹細工等で身銭を稼ぎながら生活をする、山の民となった。
(明治時代には、彼らのような山の民のことを、警察や里の人々はサンカと呼んだそうだ)
江戸時代になり、秋田の旅マタギの一人を向かい入れた集団があり、彼から狩猟を学び、生業にする者も出始めた。(小玉マタギの由来)
ある時、妊娠中の雌狼を見殺しにした直後から厄災が続いたことで、狼が山の神なのだと考えるようになり、狼を神様として祀り、お供え物をしたりすることで、彼らと狼の共生関係ができていった。
江戸の末期から明治の末期に掛けて、日本狼は急速に減少していったが、その間も彼らは、自分達の住む山域の狼を人目を避けながら保護し続けた。
その後、国の富国強兵政策による徴兵制度が始まり、戸籍の整備や経済の発展を推進しだすと、漂泊の民でいる事が困難となり、里へ下り一般社会に混入する者が増えていった。
 源次郎(後の姓は鈴木)、太一、喜一郎(後の姓は沢田)の三兄弟は山中に残り、狼との共生関係を続けていたが、大東亜戦争敗戦時の混乱期に紛れて、源次郎は日の出学園という孤児院(後に養護施設)で働き、太一は山中で狼と共生関係を続け、喜一は山里に住み日用品やお供え物の餌等を調達して太一を助けることにした。
 太一は、二人の男子(兄:健太、弟:名無し)に恵まれたが、嫁は次男出産時に死んでしまった。太一は強盗殺人を犯し、逮捕され、脱走しようとした際に射殺された。
喜一は長男(満夫)を銃の暴発事故で亡くしたが、銃の不法所持が知れてしまうので死亡届を出せずにいた。
また、長女が生まれた直後で、喜一の妻はお乳が出ていた。
そこで喜一は源次郎と相談の末、健太を満夫として育てることを了承し、名無しの次男を乳飲みの間は喜一の妻が預かり、後に源次郎の孤児院に孤児として預かることとした。
 大人達の都合に翻弄され、預けられることとなった二人の兄弟の悲しき運命が、回りだす・・・


著:熊谷達也
作:漂泊の牙

※日本での狼と人との関係や、狼の生態について興味が出てきた。
 東京国立博物館で見た、ニホンオオカミの標本のことを思い出した。
 (ムツゴロウとゆかいな仲間達を欠かさずに観ていたので、ハスキー犬やオオカミ犬のイメージ
 を抱いて見に行ったのだが、予想とは異なり、白っぽく、ホッソリとして、小さく感じたことを思い
 出す。)
 「箕作り弥平商伝記」にも出てきた「サンカ」についても、より詳細に分かりやすく記されていた。
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